南麓の日々 +M Blog

今しか見れない水面の景色

田んぼの水も凍る氷点下の寒い快晴の昨日の早朝。
水面に映る朝日に紅く染まる南アルプスと富士山。
田植え前のこの時期の限られた朝にしか見れない日の出前の景色です。
べた凪のパーフェクトな水鏡にならなかったのは残念でしたけど。

立夏を迎え八ヶ岳南麓ではあちこちで田植えの準備が始まっています。
田んぼに水が張られ田植えが始まるまでの数日間、様々な景色が水面に映り込むこういった光景を楽しむことが出来ます。
ただ、こういった早朝のモルゲンロートに染まる山々を写し込むには条件が揃わないと撮れません。

条件その1:冷え込んだ朝
この時期必ず氷点下にまで気温が下がり霜が降りたり田んぼの水が凍るほど寒い朝があり、その日がチャンス。
前日も晴天で天気予報で翌朝放射冷却、霜注意報という言葉が出たら撮影日のサイン、とりあえず早起きします。
経験上気温が5℃以上になると霞んでくっきりとした山々の景色は見れません。まあこれはこれで別の良さはありますが。

条件その2:快晴である
雲がないってことは空気が乾燥しているってことですから景色もくっきり見えます。
絵になるような雲の出方ならいいですが、山頂に雲がかかってしまったらやっぱり残念ですからね。

条件その3:田んぼの代掻き状態
代掻きが上手な田んぼは水面が綺麗で本当に鏡のようになります。そういう田んぼで撮影するとやはりいい画が撮れます。
逆に下手なところは去年の田んぼ残材などが出ていて綺麗な水鏡にはなりません。
だから何かのついでにいろいろ見て回って代掻き具合を事前にチェックしておきます。
今回の田んぼは懇意にしている設備屋さんの家の田んぼで、自分が写真を撮っていることを知っているので、数年前から念入りに代掻きしてくれているようです(笑)

条件その4:風が無いこと
べた凪であれば鏡のようになる水面も風が吹けば当然さざ波が起きますし、景色も映り込みません。
折角早起きして天気も撮影ポイントの条件も揃っているのに風があって撮れないってことにもなります。
夕焼けもそうですが朝焼けはもっと待ってくれません。
刻々と変わっていく景色の中で「一瞬でいいから風止んでくれ。」って祈りながら待つ事もしばしば。昨日もそうでした。
なので無風のべた凪は理想なんですが、早朝って結構風が吹いていることが多く、もう数年チャレンジしてますが完全なべた凪の完璧な鏡面は一回くらいしかありません。
ですから完璧に条件が揃う日っていうのは本当に稀で、ただでさえ期間が短くチャンスが少ない中では奇跡に近いのです。

でもこの景色を実際に見ると本当感動します。寒い中早起きして良かったぁと必ず思うはずです。
撮影しないまでも機会があれば是非チャレンジしてご覧になってみてください。

ちなみに富士山の映り込みは南麓ではごく限られた田んぼでしか撮れず、撮影法もちょっと大変なので簡単には撮れないと思ってくださいね。

早起きはどうもという方は夕方の景色も素晴らしいのでそちらを。
朝焼けほど条件が整わなくても十分綺麗な景色がご覧になれると思います。

そしてもし田んぼの映り込みを撮る場合は絶対田んぼには入らない、特に微妙な管理が必要な取水口には近づかない触らないってのは大原則です。今回のように田主に了解を得ていれば良いですが、畦にもできる限り入らない方がいいです。
とにかく田主に迷惑の掛からないようにするのが大原則です。

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