『とにかく明るく広くなるようにお願いしたい。』
高原の別荘地の中にある築十数年の建物を購入されたお客様からのリフォームのご依頼でした。
深い庇のあるインナーデッキが暗さの原因、ここを室内に変えて大きなピクチャーウィンドウを取りくけることで、外の景色と明るさを取り入れられるようにしました。またお友達を呼んでホームパーティーをよくされるということで、奥様からは手狭なキッチンの改善とお気に入りのIKEAのダブルオーブンを使いたいというリクエスト。
ご自分たちで選ばれたお気に入りのキッチンセットがうまく納まり機能するようにキチンスペースを増床しました。
またキッチンとリビングの両方からアクセス出来る広いウッドデッキも設置しました。フルオープンできる窓により、気候のいい時はリビングとデッキを一体的に利用していただけます。
また板張りの腰壁より上の壁は建主さんご夫妻とお友達が珪藻土を塗られました。
標高がとても高く冬は厳しい寒さになる地域ですが、リフォーム後は四季を通じて楽しくご利用いただいていらっしゃるようです。
「しーちゃんちの山の家のリフォーム」
- 建設地:長野県南佐久郡南牧村
- 建築面積:131.58㎡(39.80坪)内増床・増築部分31.68㎡(9.58坪)
- 延べ床面積:127.53㎡(38.58坪)内増床・増築部分31.68㎡(9.58坪)
- 主用途:一戸建ての住宅の増床・増築
- 構造:木造・在来工法・平屋建て
蓄熱性と肌触りの良い素材
日当たりの良いインナーデッキだった部分の床には蓄熱性の良さを見込んで黒めの石目調のタイルを張り、また増築したキッチンの床にも同じタイルを張り一体感を出しました。
そしてメインのLDKの床には肌触りの良い30mm厚の無垢の杉板を使っています。
壁については腰壁には既存の部分に合わせてカラマツの板を張り、腰壁より上はお客様ご夫妻とご友人とで珪藻土を塗ることになりました。
IKEAのオリジナルコーディネイトキッチン
キッチンは奥様の強い希望でIKEAのオリジナルコーディネイトのモノを採用。
旦那様と一緒に事前打合せをしてきていただいたものに準じて、キッチンの空間の大きさからプランニングしました。
特にこだわっておられたダブルオーブンは存在感があります。
またシンクがついた大きなワークテーブルは大人数でテーブルを囲んで作業しやすいようになっています。
またワークテーブル越しにウッドデッキとリビングが見渡せ、デッキでのパーティーでも窓を開ければすぐに行き来が出来るようになっています。
窓にぐるっと囲まれているので、開放的で景色を楽しみながら炊事が出来ると思います。
大きなピクチャーウインドウとIKEAのキッチン
まずは増床した部分に取り付けた大きなピクチャーウィンドウ。
夏は木立の緑、秋は紅葉、冬は雪景色と素敵な庭先の景色を存分に楽しんでいただけます。
またデッキ部分はフルオープンになるので、デッキを室内と一体化してご利用していただけます。
そして何はさておき奥様お気に入りのIKEAのキッチン。
自分の使い方に合わせて組み合わせているので、気持ち良く楽しく炊事が出来るのではないでしょうか。
「お気に入りを選び、楽しく使う」、とても重要なことだと思います。
以前経験しているので解ってはいましたが、今回IKEAから送られてきた部材は前回を上回る百数十点。
荷受してチェックするだけでとても大変でした。
ただ今回は大きくて複雑ということもあり、IKEAの専属業者さんに組み立てを依頼していただきました。
キャビネット一つ一つ組み立てていくのは相変わらずですが、そこは専門部隊、手慣れたものです。
こちらは部品一つ探すのに時間がかかっていましたが、ほとんど取説も見ずに組み上げていくのは流石です。
次々出来上がるキャビネットを三人の職人さんで手際よく組み立てていきます。
一日でほとんど骨組みが組み上がり、二泊三日で仕上げる予定でしたが二日で作業が完了、さすがです。
そして実は工事の最終日は3月11日、そう東日本大震災が起きた日です。
世の中が大騒ぎしている中、淡々と作業する職人さんたち。
そして日が暮れる頃に作業が無事完了、高速道路も通行止めで雪も降る暗い中首都圏に向けて帰って行かれました。
後で問い合わせたところ翌日の朝無事戻られたそうです。
あんな大事件の中でも仕事はきっちり終わらせる、職人さんのプロ意識を強く感じました。