東京都昭島市のJR青梅線中神駅より徒歩2〜3分のところにOPENされた「ナカガミ食堂」さん
今回はプランニング&アドバイザーとしてお手伝いさせていただきました。
店主ご夫妻とは家族ぐるみで30年来のお付合い。
旦那さんは長年立川の某有名地元居酒屋チェーン店で腕を磨き、何店舗も店長を任せれ、要職にもついていた生粋の調理人。
満を持して地元で自分の店を開きたいと言うことでご協力させていただきました。
限られた予算の中で素材を出したオシャレな店舗にしたいと言うことでOSB合板をメインに壁を仕上げ、店の顔になる壁には現場で出た廃材を使い、店主自ら塗装し、ランダムに張り詰めたモザイク壁にしてコストダウンしつつ資材感を出してみました。
またカウンター席の天板には集成材ではなく無垢の杉の巾板を使ったり、入り口とトイレにはヴィンテージ加工した無垢板のドアを使ったり、厨房の壁にはモザイクタイルを模したキチンパネルを採用したりと店主のこだわりを出来るだけ採用してみました。
そして出来ることは出来るだけ自分たちでやり、出来ないことをプロに任せる。
粘り強く自分たちの理想にこだわったオーナー夫妻、その細かい要望に応えてくれた現場の工事に携わってくれた職方の皆さんには感謝です。
おかげで店主夫妻にとって大満足な店に仕上がりました。
そして自分で言うのも何ですがとても居心地の良いお店になりました。
店主の作る地元の野菜や食材をメインに使った和食ベースの料理はどれも美味いです。
地元の方々はもとよりたくさんの人に足を運んでもらい、美味しい料理を食べてもらえたら良いと思います。
「ナカガミ食堂」
- 建設地:東京都昭島市
- 延べ床面積:44.17㎡(13.36坪)
- 主用途:店舗
ヴィンテージ加工木製ドア
今回オーナー様が最初にこだわったところがお店の顔でもある入り口のドア。
アンティーク調の木製のドアしたいということで、アメリカ製のアンダーセン社のドアを独自にヴィンテージ仕上げにしているメーカーのモノを採用しました。
ドアのみの販売ということで両サイドのFIX窓は現場にて米松のドライビームで施工。
先行して同色で塗装のはずが微妙に違ってしましましたが、逆に一番の主役のドアが浮き立つ形となり、結果オーライ。
既製品とはまた違う味のあるドアは良い店の顔になりました。
同じくこちらもこだわったトイレのドアも同じくヴィンテージ加工された木製ドアを使用しました。
OSB合板の壁
壁の構造材や下地材に使われるOSB合板をそのまま仕上げ材に使用しました。
OSB合板とは細長いチップ状にした木材を乾燥させたのち接着剤と混ぜてパネル状に高温圧縮し、そのパネルを複数枚重ねた合板です。
あえてそのまま使うことで散りばめられたチップにより壁に表情が出るのと、単価も安く、張れば終わりという簡単さにより施工性も良くなりコストダウンに繋がります。
下地材を仕上げ材にしてそのまま見せる、ちょっとした発想の転換でデザイン性とコストダウンが計れ一石二鳥です。
モザイクデザインウォール
ある意味シンプルなOSB合板でまとめた今回の店舗の壁。
お店の顔になる壁の部分はちょっとインパクトを与えようと、以前別の店舗でも採用したモザイク状のデザインウォールを提案しました。
他の現場などで出た木材の端材をオーナー様に一枚一枚違った色に塗っていただき、それを組み合わせてベンチ席の壁にモザイク状に張ってデザインウォールする。
幅や厚みの違う板を組み合わせ、しかも通常は表に出ない裏面をあえて表につかったりもして表情豊かに組合せていきます。
見方や使い方をかえれば処分されたはずの木材も、こうして端材も裏面も立派な仕上材になって立派に役に立ちます。使ってあげないのは可哀想だしやはりもったいないです。
こうして出来上がったデザインウォール。ちょっとラフなところが逆にいい感じになり、表情豊かなインパクトのある壁になりました。
忙しい中、色塗りから自分たちでやって、ちょっと手間と時間は掛かりましたが、自分で塗って自分でアレンジした壁に仕上がってオーナー様もとてもご満足されたよう。
またこういう作業はやっているこちらもとても楽しいものです。
無節の杉の幅はぎ材
お店のひとつの顔にもなるカウンターの天板は無節の杉の幅はぎ材を使いました。
幅はぎ材とは幅の狭い一枚物の小角材を寄せ集めて幅方向のみ接着した板です。
なのでカウンターによく使われる集成材とは違い、一枚板のような風合いになります。
今回は柾目のモノを使っているので無垢板にもないような独特の柄と色合いのカウンターになりました。
更にしっかりと杉の風合いは感じられる集成材にはない“味”が出てます。