以前にも書きましたが八ヶ岳に限らず風景写真にはその時、その場所じゃないと撮れないものがあります。
山から昇ってくる月の出のシーンもその一つ。
特に満月の月の出はとても美しく絵になります。
八ヶ岳南麓から拝める月の出は秩父方面の山並みからになりますが、特に絵になるのが金峰山から昇ってくる満月です。
山頂への日の出や日の入りはダイヤモンド〇〇と言いますが、月の出や月の入りはパール〇〇と言われてます。
以前から金峯山の頂上、特にシンボルである五丈岩のバックに昇ってくる満月を狙って何度もチャレンジしていますがなかなか撮れませんでした。
満月は概ね月に一回、年に12回ほどしかチャンスはありません。
その上その日が晴れるとは限りませんし、晴れてもちょうど月の出に雲が掛かっていれば撮れません。
さらに毎回軌道が違いますし、昇ってくる場所も太陽と違い一日違うだけでかなり違い、毎日異なります。
さらにさらにその上金峯山の頂上って狭いところにピンポイントとなるとそれはそれは撮影場所の選定は至難の技です。
仮にピンポイントで狙えたとしても、季節によって日の長さが違うので昇ってくる時間帯の空の明るさも異なり、折角昇ってきても真っ暗な中での撮影だと山が単に真っ黒なシルエットにしかならなかったり、逆に月がただの光の丸になって綺麗に撮れなかったり。
暗い中での月の撮影はとても難しいのです。
ですので、狙いは春から秋にかけてまだ空が明るいうちに月が昇ってきてくれる時期です。
そんな中、昨日ついに念願のパール金峰山とパール五丈岩のダブルゲット出来ました。
ちょっと薄雲が掛かってパーフェクトではなかったけど狙いはバッチリ。
しかもそれまで山頂を覆っていた厚い雲が直前に晴れるっていうミラクル付き。
昨日は生憎直前まで金峰山のところにだけ厚い雲がかかっていました。
で、撮影ポイントに行ったはいいが『こりゃ今日は無理だな』と半分諦めかけるもひとまず残念な雲からの月の出でも撮って帰ろうとセッティングして待っていたら、ホント1分くらい前に緞帳が開くようにさ〜っと雲が晴れて頂上のお出まし。
喜びと興奮しつつでも背後の雲が邪魔するかなぁと思いながらファインダー覗いて薄っすらと月の姿が見えた時にはもう内心小躍り&ガッツポーズでした。
暗ければ月明かりでそろそろ昇ってくるのがわかるのですが、昨日くらいの明るさだと注意してみてないといきなり姿を現わすから。
昨日は本当奇跡と言っていいひと時でした。
そして願えば“願い”は叶うもんだと実感しました。
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