【防風下げ振り】
工事の基準で「水平」と同じく重要になってくるのが「垂直」を見ることです。
いくら基礎が水平でも柱が垂直でなければ建物は傾いてしまいます。
ですので骨組みを組む「建て方」では柱の垂直を出すのが重要な作業になってきます。
「転びを見る」、建物の傾きの有無を調べることをこう言います。
地元の大工さんたちは「よろびを見る」と行っていますが、まさにその「よろびを見ている」最中のワンショット。
柱に沿わせている銀色の棒状にものは「下げ振り」です。
元々は糸に逆円錐形の錘(おもり)をつけた道具。
これを使って部材と糸や錘の位置や距離を測って垂直を測っていました。
ただそういった旧来の下げ振りだと、風の影響とかで錘が揺れてなかなか止まらなかったりするので計測が困難になることもしばしば。
そこで細長いケースの中に「下げ振り」を仕込んだ、柱の垂直計測に特化した専用の防風「下げ振り」が登場しました。
これならば風が吹いても錘が揺れることがないので測定がし易く、作業が天候に左右されることがなくなりました。
これを見ながら、斜めに設置したあるジャッキ状の矯正器を使って建物の要所要所で傾きを矯正します。
そしてどこを矯正したらいいか、大工さんたちは的確に判断して調整していきます。
この記事へのコメントはありません。